『キューバの朝、 "カプチーノと葉巻"から始まりました』
キューバにいると朝、起き抜けから葉巻が欲しくなります。こんなことは考えられませんでした。「葉巻とは、一日の帳(とばり)に胃も精神も満たされた時に登場するもの」と。ましてや、体が欲することはないだろうと、、早朝から。
カプチーノと葉巻、そしてあろうことか更に"モヒート" にまで手を伸ばすアリサマ、しかも朝食前に、、。その後、昼食後、トワイライトに、ディナーの後に。いったい一日何回葉巻に火を点けたのだろう?!
いくら仕事を離れた環境だからとはいえ、地球の裏側の南半球の遠い遠い異国の地にいるのだからさぞかし身も心も解放されている、とはいえ、"朝"からはないだろう?!その度に欲しくなるものなのか?!
私たち、身をもって体験してきました!!。
この時期の乾期ゆえの空の青さ、白い雲。
日中の最高気温も24度ほど、78%の湿度はたっぷりだけれど、カリブ海に浮かぶ細長い列島には海から海へ風が抜けます、流れている風を感じることってこんなに心地いいんだ、と。
街のあちこちから聞こえてくるラテンの生音(なまおと)。
社会主義国で軍事政権、そんな国の人々から発せられている "気" はなんとも満たされた温和でやわらかいもの。
一瞬栄華を極めた跡のヨーロッパ調の、今ではぼろっちい建物。
日に焼けた頼もしい肌に、強度のエナメル質だろう白い歯とヴィヴィットな色の服。
「オーラ!(こんにちは)」と声かければちょっとはにかみと親しみを帯びた「オーラ!」が返る。
これら全てが影響してるんだと思う、葉巻に手が伸びる"わけ"は。(そして、現地で手に入れられた葉巻は、旨さととまろやかさが最後まで伴う。おいしい空気を"はふっ、はふっ、"っと食べてるって感じで、体への負担が少ないのです。)
そして、そんな中で飲む "モヒート"はまた、格別にうまい!"モヒート"とは、キューバ特産の蒸留酒ラムをベースに生のミントの葉を使ったロングカクテルの名。ヘミングウェイがこよなく愛したカクテルの一つです。
『cubaのカクテル"Mojito(モヒート)"」について』
カクテルブックの中だけで思いを馳せ、想像していた私の"モヒート"とは全く別の物でした。気温23度、湿り気78%、たっぷりな海からの空気の動き(流れ)街のそこかしこからのラテンリズムの生(なまおと)音、そして決して裕福ではないけれども、"今(いま)"を楽しめているようなキューバの人々。
全て配給で賄えて、病院、学校がいっぱいあってそのすべてが無料。国民すべてが公務員のようなもので、労働賃金も保障されていて、キューバにいるかぎり安泰です。街の建物はぼろっちいけど心はタップリ満たされている・・・そんな国の特産物、さとうきびから作られる蒸留酒"ラム"がベースのカクテルモヒートは、ゆるやかで、とても飲みやすいものでした。アルコール分がそんなに強くなく生のスペアミントの香りがさわやかなロングカクテル(ジントニックとかソルティードックのような)でした。
なるほど、日中、街を歩き廻り、ちょっと一休みするにはエスプレッソコーヒーではないな。ゴクゴクッとのどに落とせてしまうあの"モヒート"なんだな、と。油断してるとまわりますよ、しっかり40度のラムが1ショット強入っているのですから。何度、瞬間瞬間、果てたことか・・・。そして、葉巻に手が伸びるんです、自然の連鎖反応。そんなふうにかの文豪ヘミングウェイも "Bar ボデギータ"で酔いどれながらその瞬、その瞬を楽しんでいたんだろうな、きっと昼間から。
【赤坂 燻】輿水治比古(CMG36)・みはる(CMG37)
2004年3月提出
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